ばか!


一睡もしなかった。しなかった。どうしてしなかった。小説を書いていた。否、あんなもん小説だなんて誰が呼べるかばかもの。あったことをそのまま書いただけだった。私の混乱をふわふわした高揚感を客観視しようと努めてみようと小説なんて下らないものにして書きやがってばか。余計に私の混乱は酷くなって地に足が付かない感覚はより一層深まってしまった。私はどうしたらいいんだろう。どうしようどうしよう。今日は電車に乗って実家に帰るんだった。ちゃんと帰れるかしら。間違えてアンコールワットに辿り着かないかしら。何をばかげたことを。死ねばいいのに。