アンドロイド 笑った


僕の首に両手を宛がって彼女が笑った


「アナタの望む世界のためなのよ」


ああその通りだねって僕も笑った。僕なんかいなくなれば良かったんだ。最初からいなければ良かったんだ。
静かな終わりが聴こえる気がした。内側で骨が軋んでいた。


「私、アナタが好きなの。だから、叶えてあげる。」



そうして記憶が途絶えた。彼女のうっとりとした笑みは、最後まで強烈に残り続けた。



僕の望んだ世界は、僕の見えない知らないところで続いている。僕の愛した可愛い彼女をひとりぼっちで残して。