彼女は微笑む


彼女は段ボール箱の中で小さく縮こまって笑う。
さながらゴミ屑のように。


僕は独占欲からそれを拾い上げる。
汚い鼻面を弾くと彼女は一瞬顔をしかめてからまた笑った。


目玉だけがぎらぎら輝いた。
「ワタシハドンナバショデモワラウワ」と。


そして彼女は一つ息を吐いた。
その黒目が細く歪んだ瞬間僕の背筋は凍る想いがした。